里帰りしない産後をどう回すか|支援を自分で組む手順と、使える公的サービス
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実家が遠い、親が働いている、関係が良好でない、上の子の環境を変えたくない——里帰りしない理由はさまざまです。
先に結論を書きます。里帰りしないこと自体は不利ではありません。むしろ最初から夫が育児に組み込まれるため、里帰り明けに起きる「支援が一気に消える段差」が発生しないという利点があります。条件は、里帰りで得られるはずだった支援を、別の形で自分で組むこと。その手順をまとめます。
里帰りしない側の利点
里帰りの最大の落とし穴は、戻ったあとの段差です。支援が厚い状態から、支援ゼロ・家事全部あり・子はまだ手がかかる状態へ、ある日突然移る。産後で最も条件が悪くなるのがこの局面です(詳しくは産後の里帰り)。
里帰りしない場合、この段差がありません。加えて、
- 夫が最初から戦力になる——あとから立ち上げる必要がない
- 生活リズムが一本——実家と自宅で二度作り直さなくてよい
- 方針の衝突が起きにくい——育児の常識の違いに毎日さらされない
つまり「支援が薄いかわりに、条件が安定している」のが里帰りしない産後です。
里帰りが提供していたものを分解する
自分で組むには、まず何を代替するのかをはっきりさせます。
| 里帰りが提供するもの | 代替手段 |
|---|---|
| 食事の用意 | 食材宅配・宅配弁当・作り置き・夫の担当化 |
| 洗濯・掃除 | 家事代行・乾燥機・ロボット掃除機・頻度を落とす |
| 買い物 | ネットスーパー・定期便 |
| 夜間の交代 | 夫のシフト・日中の分割睡眠 |
| 話し相手 | 産後ケア事業・地域の相談窓口・オンラインの場 |
| 上の子の世話 | 一時保育・ファミリーサポート・保育園の継続利用 |
並べると分かるとおり、大半はお金か制度で代替できます。代替しにくいのは「夜間の交代」と「話し相手」で、ここは夫と公的サービスで埋めることになります。
産前にやること
里帰りしない産後は、準備の量で決まります。産後に調べる余力はありません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 妊娠中期 | 自治体の産後ケア事業を調べる。申請が事前登録制の場合がある |
| 妊娠後期 | 食材宅配・ネットスーパーを実際に使ってみる(産後に初回登録は難しい) |
| 〜出産1ヶ月前 | 夫の休暇の取り方を決めて申請する |
| 直前 | 日用品と冷凍のストック。訪問のルールを親に伝える |
特に食材宅配は産前に一度使っておくのが実務的です。産後に新規登録・初回配送の調整をするのは負担が大きく、結局やらないまま終わります。
退院直後〜2週間
この時期の原則は「家事の基準を下げる」ことです。
- 掃除は止めてよい——2週間やらなくても生活は成立します
- 食事は作らない前提で組む——宅配・冷凍・惣菜。作れたら加点、くらいの設定に
- 洗濯は乾燥まで機械に任せる——畳まない運用でも構いません
- 来客は絞る——支援にならない来客は負担です(新生児の面会)
- 買い物に出ない——ネットで完結させる
里帰りしている人は、この期間の家事を実家が肩代わりしています。同じ量を自宅でこなそうとしないでください。比較すべきは「里帰りしている自分」ではなく「何もしない状態」です。
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食事は「作らない前提」で組んでおく
里帰りが肩代わりしていた最大のものが食事です。産前に一度使っておくと、産後に登録の手間が要りません。
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使える公的サービス
自治体によって内容も料金も違いますが、次のようなものが用意されていることがあります。住んでいる市区町村の名称で検索してください。
| 制度 | 内容(自治体により異なる) |
|---|---|
| 産後ケア事業 | 宿泊型・日帰り型・訪問型。助産師によるケアと相談 |
| 産前産後ヘルパー | 家事・育児の訪問支援。所得により減額される場合がある |
| ファミリーサポート | 地域の会員による預かり・送迎 |
| 一時保育 | 上の子の預かり。理由を問わない枠がある場合も |
| 新生児訪問・こんにちは赤ちゃん訪問 | 助産師・保健師の家庭訪問。相談の入口になる |
いずれも申請時期や利用条件が自治体ごとに違い、事前登録が必要なものもあります。妊娠中に確認しておくかどうかで、使えるかどうかが変わります。
夫の休暇をどう配置するか
里帰りしない場合、夫の休暇の置き方が結果を大きく変えます。
- 退院直後に固める——最も条件が悪いのは最初の2週間です
- 分割できるなら後半にも残す——1ヶ月健診の前後や、夫が復帰した直後にもう一段しんどい局面が来ます
- 「休み」ではなく担当を持つ——家にいるだけでは戦力になりません(夫の対応)
- 制度を先に確認する——産後パパ育休など、分割取得できる仕組みがあります。申請期限があるため早めに
まとめ
- 里帰りしないことは不利ではない。里帰り明けの段差が発生しないという利点がある
- やるのは、里帰りが提供していたものの分解と代替。大半はお金か制度で埋まる
- 準備の量で決まる。産後に調べる余力はないので、妊娠中に済ませる
よくある質問
Q1. 里帰りしないと産後は大変になりますか?
支援は薄くなりますが、不利とは限りません。里帰りで最も条件が悪くなるのは支援が一気に消える里帰り明けの段差で、里帰りしない場合はこれが発生しません。夫が最初から育児に組み込まれる、生活リズムを二度作り直さなくてよいといった利点もあります。
Q2. 里帰りの代わりに何を用意すればよいですか?
里帰りが提供していたものを分解して個別に代替します。食事は食材宅配や宅配弁当、洗濯や掃除は機械と頻度の見直し、買い物はネットスーパー、上の子は一時保育やファミリーサポート、といった形です。代替しにくいのは夜間の交代と話し相手で、ここは夫と公的サービスで埋めることになります。
Q3. 準備はいつから始めればよいですか?
妊娠中期から始めてください。自治体の産後ケア事業は事前登録が必要な場合があり、食材宅配やネットスーパーも産後に新規登録するのは負担が大きいためです。産後に調べる余力はないという前提で、妊娠中に一度使っておくところまで済ませておくと確実です。
Q4. 退院直後はどこまで家事をすべきですか?
基準を下げてください。掃除は2週間止めても生活は成立しますし、食事は作らない前提で組み、洗濯は乾燥まで機械に任せて畳まない運用でも構いません。里帰りしている人はこの期間の家事を実家が肩代わりしているので、同じ量を自宅でこなそうとしないことが重要です。
Q5. 公的なサービスにはどんなものがありますか?
産後ケア事業(宿泊型・日帰り型・訪問型)、産前産後ヘルパー、ファミリーサポート、一時保育、新生児訪問などがあります。ただし内容・料金・申請条件は自治体ごとに大きく異なり、事前登録が必要なものもあるため、住んでいる市区町村の名称で検索して妊娠中に確認しておいてください。
Q6. 夫の休暇はいつ取るのが効果的ですか?
最も条件が悪いのは退院直後の2週間なので、まずここに固めるのが基本です。分割取得できる場合は、1ヶ月健診の前後や夫の職場復帰直後にも残しておくと、次のしんどい局面をしのげます。産後パパ育休など分割できる仕組みには申請期限があるため、早めに確認してください。
Q7. 家にいるだけでは足りないのはなぜですか?
休暇を取っても「手伝う」立場のままだと、何をいつやるかを決める負担が妻に残るためです。夜間のミルク、朝の家事、風呂といった時間帯で切れるものを担当として引き受けると、作業だけでなく判断の負担も減ります。