結婚式をしない「ナシ婚」の割合データ|後悔する人・しない人の分かれ目
挙式・披露宴を行わない「ナシ婚」は、近年増加傾向にあると各種調査で指摘されている。ただし「式をしなかったこと」自体を後悔する声は多くない。後悔として語られやすいのは、記録を残さなかったことと、親への説明を後回しにしたことの2点に集中している。
関連記事
この記事で分かること
- ナシ婚を選ぶ人の割合と、その数字の読み方の注意点
- ナシ婚を選んだ理由の内訳(費用・価値観・準備負担・再婚)
- 「後悔した」という声に共通して出てくる2つの要素
- フォトウェディング・家族婚・食事会という中間の選択肢
- 親世代との折り合いをつけるための具体的な進め方
ナシ婚の割合は実際どのくらいか
結婚が決まったあと、多くのカップルが最初にぶつかるのが「式をやるかどうか」という問いだ。そしてこの問いに対して、周囲の実感と統計上の数字がずれているケースが少なくない。
挙式・披露宴を行わずに入籍する、いわゆる「ナシ婚」は、近年増加傾向にあると各種調査で指摘されている。調査によっては、結婚した人のうち挙式・披露宴を行わなかった層を3〜4割程度とする結果も公表されている(各種ブライダル調査の公開データより推計)。
ただし、この数字はそのまま鵜呑みにしないほうがいい。理由は3つある。
| 注意点 | 内容 | 数字への影響 |
|---|---|---|
| 調査対象の違い | ブライダル事業者の会員向け調査か、一般消費者向けの調査かで母集団が大きく異なる | 事業者側の調査ではナシ婚比率が低く出やすい |
| 「ナシ婚」の定義 | フォトウェディングや少人数の食事会を「ナシ婚」に含めるかどうかが調査ごとに違う | 定義次第で10ポイント以上ぶれる |
| 再婚の扱い | 再婚を含むか初婚のみかで結果が変わる | 再婚を含むとナシ婚比率が上がる傾向 |
※上記は各種ブライダル調査の公開データおよび各社公式発表の傾向をもとにした整理(2026年7月時点)。
つまり「ナシ婚は何割」という単一の確定値は存在しない。実務的には、「ナシ婚はもはや少数派の選択ではなくなってきている」という程度の理解が、実態にいちばん近い読み方になる。少なくとも、10年前のように「式をしないなんて」と一律に驚かれる状況ではなくなってきた、というのが複数の調査に共通する方向感だ。
地域と年齢で見え方がかなり違う
もう一つ知っておきたいのは、ナシ婚の受け止められ方に地域差・年代差があることだ。親族の集まりが慣習として強く残る地域では、本人がナシ婚を望んでも周囲の期待値が高く、調整の難度が上がる。一方で都市部の30代以降の再婚・晩婚層では、ナシ婚がむしろ標準的な選択肢として扱われることも珍しくない。
全国平均の数字を見て「うちも大丈夫そうだ」と判断すると、実際の交渉相手である親族の温度感とずれることがある。数字は参考値にとどめ、自分たちの周囲の実情と分けて考えたい。
ナシ婚を選ぶ理由の内訳
では、なぜ式をしない選択が増えているのか。理由は単一ではなく、いくつかの層が重なっている。
| 理由 | 内容 | 特に多い層 |
|---|---|---|
| 経済的な理由 | 挙式・披露宴に数百万円を投じるより、新生活や住宅資金に回したい | 20代後半〜30代前半 |
| 価値観の変化 | 感染症拡大期を経て「大人数で集まる形式」への必然性が薄れた | 全年代 |
| 準備の負担 | 共働きで打ち合わせ・段取りの時間が確保できない | 30代の共働き層 |
| 再婚 | 一度経験しているため、形式を繰り返す必要を感じない | 30代後半〜40代 |
| 本人の性格 | 注目される場が苦手、スピーチや余興に抵抗がある | 全年代 |
※各種ブライダル調査の公開データおよび編集部のヒアリングをもとにした整理。
費用の理由は「お金がない」だけではない
ナシ婚の理由として真っ先に挙がるのは費用だが、内実はもう少し複雑だ。挙式・披露宴の費用は一般的に300〜370万円程度が目安とされる一方、ご祝儀と親からの援助を差し引いた実質的な自己負担は150〜250万円程度にとどまるケースが多い(各種ブライダル調査の公開データより推計)。詳しい内訳は結婚にかかるお金の総額データにまとめている。
つまり「まったく払えない」というより、「同じ150万円を使うなら住宅の頭金や新生活に回したい」という配分の判断でナシ婚を選ぶ層が相当数いる。これは節約というより優先順位の問題であり、経済的に余裕がある層でもナシ婚を選ぶ理由になる。
準備負担は共働き世帯で特に重い
見落とされがちなのが時間コストだ。式場探しから当日までは一般に半年から1年程度かかり、その間に会場見学・打ち合わせ・招待客の調整・衣装合わせといった予定が土日に積み上がる。共働きで平日に余裕がない場合、この負担は費用以上に重く感じられる。
| 準備項目 | おおよその所要 | 負担が大きくなりやすい条件 |
|---|---|---|
| 式場見学・決定 | 1〜3か月 | 両家の希望エリアが離れている |
| 招待客の確定 | 1〜2か月 | 職場関係を呼ぶかで判断が割れる |
| 衣装・装飾の決定 | 2〜4か月 | こだわりが強い/意見が分かれる |
| 席次・進行の調整 | 1〜2か月 | 親族構成が複雑な場合 |
※式場探しの一般的な流れをもとにした目安。詳細は結婚式場探し完全ガイドを参照。
「後悔した」という声に共通する2つの要素
ナシ婚の記事でいちばん検索されるのが「ナシ婚 後悔」というキーワードだ。ここで押さえておきたいのは、後悔として語られる内容が、実は「式をしなかったこと」そのものではないケースが多いという点である。
1. 記録を何も残さなかった
最も多く挙がるのがこれだ。式をしない判断そのものには納得しているのに、数年後に「写真が1枚もない」ことに気づいて残念に思う、というパターンである。
結婚式には「当日の体験」と「記録の生成」という2つの機能がある。ナシ婚を選ぶとき、多くの人は前者が不要だと判断しているのであって、後者まで不要と考えているわけではない。にもかかわらず両方まとめて省いてしまうと、後から取り戻しにくい部分だけが欠ける。
森下さん(34歳・地方公務員)「式は本当にやりたくなくて、そこは今でも正解だったと思っています。ただ、入籍から3年経って親戚に『写真ないの?』と聞かれたとき、何も出せなかったのは少し寂しかった。あのときスタジオで1回撮っておけばよかったな、というのが唯一の心残りです」
2. 親や親族への説明を後回しにした
もう一つが、親世代との合意形成を先送りにしたケースだ。2人の間では早々に「式はしない」で決着していても、その決定を親に伝えるのが入籍直前になると、話が感情的になりやすい。
ここで問題になるのは決定内容よりもプロセスだ。「相談されなかった」「決まってから事後報告された」という部分が親世代にとっては引っかかりになる。結果として、式をしない選択自体は受け入れられても、しこりだけが残ってしまう。
南原さん(31歳・看護師)「費用も時間もかけたくないので二人でナシ婚に決めて、報告だけしました。母は『あなたたちが決めたなら』と言ってくれたんですが、後から親戚経由で『本当は着物を用意するつもりだったらしい』と聞いて。反対されたわけじゃないぶん、余計に申し訳なくなりました」
逆に、後悔していない人の共通点
一方で「ナシ婚にして良かった」と語る人にも共通点がある。整理すると次のようになる。
| 行動 | やったこと | 効果 |
|---|---|---|
| 記録を確保した | フォトウェディング、または私服での記念撮影を1回だけ実施 | 写真がないことへの心残りを回避 |
| 親に先に相談した | 決定前に「こう考えている」と伝え、意見を聞く時間をとった | プロセスへの不満が発生しない |
| けじめの場を作った | 両家の食事会など小規模な集まりを1回実施 | 親族への紹介という機能を確保 |
| 浮いた予算の使い道を決めた | 新生活・住宅資金・旅行など明確な用途に配分 | 「何のために省いたのか」が納得できる |
共通しているのは、式を丸ごと省くのではなく、式が担っていた機能を分解して必要なものだけ残している点だ。後悔の分かれ目は「する・しない」ではなく、この分解ができていたかどうかにある。
中間の選択肢を知っておく
「盛大な披露宴」と「何もしない」の間には、実際にはいくつもの選択肢がある。ここを知らないまま二択で考えると、どちらを選んでも不満が残りやすい。
| 選択肢 | 費用の目安 | 担える機能 | 向いている状況 |
|---|---|---|---|
| フォトウェディング | 10〜25万円 | 記録・衣装体験 | 写真は残したいが式は負担 |
| 家族婚(挙式のみ) | 20〜60万円 | 儀式・記録・親への配慮 | 親が形式を重視している |
| 両家食事会 | 5〜20万円 | 親族紹介・けじめ | 顔合わせの機能だけ確保したい |
| 少人数婚(30名以下) | 100〜180万円 | ほぼ全機能 | 費用は抑えたいが披露はしたい |
| ナシ婚(入籍のみ) | 0円 | — | 本人・親族とも形式にこだわりがない |
※各社公式サイトの公開プラン料金および各種ブライダル調査の公開データより推計(2026年7月時点)。地域・時期・内容により変動する。
費用の桁が最も大きく変わるのは、披露宴の有無だ。挙式だけ、あるいは撮影だけであれば、披露宴込みのプランとは費用の規模がまったく異なる。「式はしたくない」と感じている人の多くは、実は披露宴の部分に抵抗があるだけ、というケースも少なくない。
組み合わせで考える
これらは排他的な選択肢ではない。実際には「フォトウェディング+両家食事会」で20〜40万円程度、という組み合わせが選ばれることも多い。この形なら、記録・親族紹介・けじめという3つの機能を確保しつつ、費用と準備負担は披露宴の10分の1以下に抑えられる。
笹本さん(38歳・営業職)「再婚だったので式はしないと最初から決めていました。ただ相手が初婚だったので、写真だけは撮ろうと。スタジオで午前中だけ撮影して、その日の夜に両家で食事会。準備は実質2日で終わりました。これで十分だった、というのが二人の結論です」
親世代との折り合いのつけ方
ナシ婚をめぐる摩擦の大半は、費用でも段取りでもなく、親との認識のずれから生じる。ここは手順を踏むかどうかで結果がかなり変わる部分だ。
ステップ1:親が本当に望んでいるものを分解する
「結婚式をしてほしい」という言葉の中身は、人によって違う。実際には次のいずれか、あるいは複数が混ざっている。
- 親族に正式に紹介する場がほしい(社会的な機能)
- 晴れ姿の写真を残したい・見たい(記録の機能)
- けじめとして形式を踏んでほしい(儀礼の機能)
- 自分たちが親から受けた慣習を引き継ぎたい(世代間の継承)
- 周囲への説明がしづらい(対外的な体裁)
この分解をせずに「式はしない」とだけ伝えると、親側は自分の望みのどこが否定されたのか分からないまま反対に回る。逆に、どの機能を求めているのかが特定できれば、その部分だけを満たす代替案を出せる。
ステップ2:決定ではなく相談として持ち出す
前述の通り、親世代の不満は決定内容よりプロセスに向かうことが多い。すでに2人の結論が出ていても、伝え方は「こう考えているが、どう思うか」という相談の形にしたほうがいい。
これは形式的な配慮のようでいて、実務的な意味もある。相談の形にすると、親が本当は何を気にしているのかが会話の中で出てくるからだ。「着物を用意するつもりだった」「親戚の◯◯さんに説明できない」といった具体的な引っかかりが分かれば、対処のしようがある。
ステップ3:代替案をセットで提示する
「しない」だけを伝えると否定の話になるが、「披露宴はしないが、食事会と写真は考えている」と伝えれば選択の話になる。同じ結論でも、会話の性質がまったく変わる。
| 親の懸念 | 提示できる代替案 |
|---|---|
| 親族に紹介したい | 両家食事会、または親族のみの会食 |
| 晴れ姿を見たい | フォトウェディング(親の同席が可能なプランもある) |
| けじめが必要 | 神社での挙式のみ、または家族婚 |
| 周囲への説明 | 結婚報告のはがき・写真を用意して親に渡す |
ステップ4:費用の話は最後にする
親が費用面を心配しているケースもあるが、こちらから最初に「お金がないから」と説明すると、親が援助を申し出て話がこじれることがある。援助を受ければ、親の意向を無視しづらくなるからだ。
費用が主な理由であっても、まずは価値観や準備負担の話から入り、費用は補足として触れる程度に留めたほうが、結果的に自分たちの希望が通りやすい。
久保田さん(29歳・保育士)「最初に『お金がなくて』と言ったら、義父が『それなら出す』と。そこから断りづらくなって、結局こちらの希望とは違う規模になりました。理由の伝え方って本当に大事だと思います」
どちらを選んでも成立させるための整理
ここまで見てきた通り、ナシ婚と挙式のどちらが正しいという話ではない。両者は満たす機能が違うだけで、優劣の関係にない。判断を進めるには、次の順序で整理するのが実務的だ。
- 2人が式に求めるものを言語化する——記録か、儀式か、披露か、あるいは特にないのか
- 親が求めているものを聞き取る——推測せず、実際に確認する
- 必要な機能だけを満たす形を組み立てる——フルパッケージから引き算するのではなく、必要なものを足していく
- 浮いた時間と費用の使い道を決める——ここが曖昧だと「省いた」感覚だけが残る
この4番目が意外と重要だ。ナシ婚を選んで浮いた200万円が、何となく生活費に溶けてしまうと、後から「結局何のために省いたのか」という気持ちになりやすい。住宅の頭金、旅行、新生活の質——用途を先に決めておくと、判断への納得感が持続する。
瀬川さん(33歳・システムエンジニア)「式をやめた分を全部新居に回すと決めていました。家具も家電も妥協せずに揃えて、毎日使うたびに『こっちにしてよかった』と思える。式は1日ですが、家は毎日ですから」
よくある質問(FAQ)
Q1. ナシ婚を選ぶ人はどのくらいの割合ですか?
調査主体や対象の取り方によって数字は幅がありますが、挙式・披露宴を行わなかった層を3〜4割程度とする調査結果も公表されています(各種ブライダル調査の公開データより推計)。単一の確定値があるわけではなく、あくまで「少数派ではなくなってきている」という傾向として捉えるのが実態に近い読み方です。
Q2. ナシ婚にすると後悔しますか?
後悔する人もしない人もいます。実際に後悔として語られやすいのは「式をしなかったこと」そのものよりも、写真や記録を何も残さなかったこと、そして親や親族への説明を後回しにしたことの2点です。この2つを事前に手当てしておけば、満足度は大きく変わるとされています。
Q3. 親から結婚式をしてほしいと言われた場合はどうすればいいですか?
「する・しない」の二択で交渉すると平行線になりやすいため、親が本当に望んでいるものを分解するのが先です。多くの場合は「披露宴そのもの」ではなく、親族に紹介する場・写真・けじめの形式のいずれかを求めています。家族婚や会食会、フォトウェディングなど中間の選択肢を提示することで折り合う例が多く見られます。
Q4. フォトウェディングの費用はどのくらいですか?
スタジオ撮影のみのプランで概ね10万円前後から、ロケーション撮影や衣装追加を含めると25万円前後までが一般的なレンジです(各社公式サイトの公開プラン料金より)。挙式・披露宴と比べれば費用規模が大きく異なるため、「記録は残したいが式は負担」という層の選択肢になっています。
Q5. ナシ婚にした場合、結婚全体の費用はいくらになりますか?
挙式・披露宴の費用がなくなるため、指輪・新婚旅行・新生活の準備を合わせて100〜200万円程度が一つの目安になります(各種ブライダル調査の公開データより推計)。ただし新生活の初期費用は住む地域や住居の条件で大きく変動するため、内訳を分けて見積もることをおすすめします。
まとめ
ナシ婚の割合は調査によって幅があるものの、増加傾向にあることは複数のデータが示している。ただし数字そのものより重要なのは、その選択が自分たちの状況に合っているかどうかだ。
後悔の分かれ目は「式をしたかしないか」ではなく、式が担っていた機能——記録・親族紹介・けじめ——のうち、自分たちに必要なものを残せたかどうかにある。フォトウェディング、家族婚、両家食事会といった中間の選択肢を知っていれば、費用と準備負担を抑えながら必要な機能だけを確保できる。
そして親世代との調整は、結論を伝える前に相談の形を取ることで摩擦が大きく減る。反対されるかどうかではなく、プロセスに納得してもらえるかどうかが実際の分かれ目になる。
結婚式をする選択も、しない選択も、それぞれに合理性がある。大切なのは、周囲の平均値ではなく、2人と両家にとって何が必要かを具体的に分解して決めることだ。費用面から検討したい場合は結婚にかかるお金の総額データを、式をする方向で考えるなら結婚式場探し完全ガイドを合わせて参照してほしい。
著者・監修について
Noe編集部 Pairs・Tapple・with・Omiai・ユーブライドを実際に使用したライターと婚活経験者が執筆・監修。のべマッチ数300件以上・デート経験100回以上の実体験をもとに情報を提供しています。
※本記事の料金・サービス内容は2026年7月現在の情報に基づきます。掲載している数値は各種調査の公開データおよび各社公式発表をもとにした目安であり、実際の費用・条件は個別の状況により異なります。