共働き夫婦の食事はどうしている?自炊・ミールキット・外食の費用と時間データ

共働き夫婦の食事はどうしている?自炊・ミールキット・外食の費用と時間データ
共働き夫婦の食事は「安さ」だけでは決まらない。1食あたりの費用で見れば自炊が最も安いが、買い物・献立決め・洗い物まで含めた所要時間では最も高くつく。費用と時間の両方を同じ表に並べると、どの方式を週に何回使うかという設計問題に変わる。

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この記事で分かること

共働きの食事は「毎日の交渉」になりやすい

共働き夫婦の食事に関する悩みは、料理が得意か苦手かという話に見えて、実態は時間配分と分担の問題であることが多い。平日の帰宅が19時を過ぎる生活では、そこから献立を考えて買い物に寄り、調理して食べて片づけるまでに2時間近くが消える。翌朝も出勤があると考えれば、この2時間は睡眠か自由時間から差し引かれることになる。

結果として起きやすいのが、「今日どうする?」という会話が毎日発生する状態だ。決めごとがないため、疲れている方が先に妥協するか、あるいはどちらも決めきれずにデリバリーに流れる。これが週に何度も続くと、食費が想定より1万〜2万円ほど上振れしていた、という形で家計に現れる。

この記事では、食事の方法を「自炊」「ミールキット」「惣菜・中食」「外食・デリバリー」の4方式に分け、1食あたりの費用と所要時間を同じ表に並べる。目的は、どれが優れているかを決めることではなく、それぞれのコスト構造を把握したうえで、自分たちの生活リズムに合う組み合わせを先に決めておくことにある。毎日交渉するのをやめて、週単位のルールに落とすだけで、費用と時間の両方が安定しやすくなる。

なお、食費は家計のなかでも変動費の代表格であり、固定費とは性質が異なる。固定費の見直しは一度やれば効果が続くのに対し、食費は日々の判断がそのまま積み上がる。だからこそ「毎回考えなくていい仕組み」を作る価値が大きい。固定費側の整理については新婚生活の固定費見直しで別途扱っている。

1食あたりの費用×所要時間 比較表

まず全体像を示す。以下は2人分の夕食1回を想定し、1人あたりの費用と、2人分をまとめて用意する場合の所要時間をレンジで示したものだ。所要時間には、献立決め・買い物・調理・後片づけのすべてを含めている。

方式1食あたり費用
(1人分)
所要時間
(2人分・1回)
時間に含まれる工程
自炊約250〜450円約60〜90分献立決め・買い物・調理・片づけ
ミールキット約600〜900円約25〜40分調理・片づけ(献立決め・買い物は不要)
惣菜・中食約500〜800円約20〜35分購入・盛り付け・片づけ
外食・デリバリー約1,000〜2,000円約10〜60分移動または待機(調理・片づけなし)

※費用レンジの前提:自炊はスーパーで購入した食材費のみ(調味料・光熱費は含まない)を一般的な家庭料理の材料構成から編集部が試算した概算。ミールキットは各社公式サイトが公開している2人前セットの価格帯(2026年7月時点)を1人分に換算したもの。惣菜はスーパー・コンビニの主菜+副菜+主食の組み合わせを想定した実勢価格帯。外食・デリバリーは一般的なファミリーレストラン〜デリバリー利用(配送料・サービス料込み)の価格帯。いずれも地域・店舗・時期により変動するため、目安として扱ってほしい。

※所要時間は工程を積み上げて算出した目安であり、実測値ではない。調理の慣れ、キッチンの動線、食洗機の有無で大きく変わる。

この表で注目したいのは、費用の順序と時間の順序が一致していない点だ。自炊は最も安いが最も時間がかかり、外食は最も高いが調理と片づけの時間がゼロになる。そしてミールキットと惣菜は、その中間に位置しながら、時間の削減幅は外食に近い。つまり「安さ」と「時間」のどちらを優先するかで最適解が変わるのではなく、両者のあいだにある中間帯をどう使うかが実務的な論点になる。

自炊:金額は最安、ただし時間コストは最大

自炊の1食あたり食材費は、主菜・副菜・主食を揃えても1人250〜450円程度に収まることが多い。特売や作り置きを併用すればさらに下がる余地があり、金額面では他の3方式に対して明確な優位がある。

問題は時間の内訳だ。多くの人は「調理時間」だけを自炊のコストとして数えるが、実際には以下の工程がセットで発生する。

合計すると、通しで60〜90分。これを平日5日続ければ週5〜7時間を食事の準備に使う計算になる。共働きでこの時間を確保できるかどうかが、自炊中心の生活が続くかどうかを分ける。

自炊の時間を削るなら「調理」より先に「決める・買う」

時短を考えるとき、多くの人は調理工程の短縮(時短レシピ・時短家電)に向かう。しかし工程を分解すると、献立決めと買い物の合計が調理時間と同等かそれ以上を占めていることが分かる。ここをまとめて処理する方が、体感の負担は下がりやすい。

具体的には、週末に1週間分の献立をざっくり決めて一度に買い物を済ませる、あるいはネットスーパーで定型の買い物リストを繰り返し使う、といった方法がある。献立を毎日ゼロから考えないだけで、平日の「決める疲れ」がかなり減る。

また、自炊の金額優位は「作った分を食べきる」ことが前提である点にも注意したい。買った食材を使いきれずに廃棄すれば、実質単価は上がる。二人暮らしは食材が余りやすいサイズ感なので、買う量を意識的に絞る方が結果的に安くなることも多い。

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ミールキット:金額で節約するのではなく時間を買う

ミールキットは、カット済みの食材と調味料、レシピがセットになった商品で、各社公式サイトの公開価格帯では2人前1食あたりおおむね1,300〜1,800円前後(1人あたり600〜900円程度)が中心帯となっている(2026年7月時点)。送料の有無や定期購入の条件はサービスによって異なる。

費用だけを見れば自炊より1食あたり200〜400円ほど高い。ここだけを取って「割高」と評価されがちだが、購入しているのは食材ではなく工程である点を押さえておきたい。ミールキットが省略するのは、献立決めと買い物という、自炊のなかで最も見えにくく、最も気力を使う部分だ。

比較軸自炊ミールキット
1食あたり費用(1人)約250〜450円約600〜900円
献立を考える時間5〜15分/回0分(決まっている)
買い物の時間20〜40分/回0分(配送)
調理時間30〜40分15〜25分
食材の余り出やすい使いきり前提で出にくい
献立の自由度高い選択肢の範囲内

※各社公式サイトの公開情報および一般的な調理工程をもとに編集部が整理(2026年7月時点)。

導入して支出が増える人・減る人

ミールキットで支出が増えるのは、自炊の置き換えとして使った場合だ。250〜450円だった1食が600〜900円になるのだから、当然といえば当然である。

逆に支出が減るのは、外食・デリバリーの置き換えとして使った場合だ。1食1,000〜2,000円の外食を1回減らすごとに、数百円の差額が残る。週2回置き換えれば月あたり数千円規模の差になる計算だ。

つまり、導入前に「何を減らすために入れるのか」を決めておくかどうかで、結果が正反対になる。共働き世帯で疲労時にデリバリーへ流れる傾向がある場合は、置き換え先として機能しやすい。一方、もともと自炊が回っている世帯が「もっと楽になりそうだから」と入れると、支出だけが増えることになる。

なお、ミールキットに限らず定期購入型のサービスは、使わない週があっても引き落としが続く形になりやすい。スキップ機能の有無と締切日は、契約前に必ず確認しておきたい項目だ。こうした毎月の引き落としをどの口座から出すかは、夫婦の口座管理の方法で整理している考え方が使える。

惣菜・中食:最も導入コストが低い現実解

スーパーやコンビニの惣菜を組み合わせる方法は、4方式のなかで最も導入のハードルが低い。契約も不要で、その日の気分で使う量を調整できる。1人あたり500〜800円程度と、ミールキットとほぼ同等かやや安い水準に収まることが多い。

時間面では、購入と盛り付け・片づけで20〜35分程度。買い物のついでに済むため、通勤経路にスーパーがある場合は追加の移動時間がほぼ発生しない。夕方以降の値引き時間帯を使えば、単価はさらに下がる。

一方で弱点もある。惣菜は主菜が中心で野菜が不足しやすく、味付けが濃いめのものが多い傾向がある。毎日続けると栄養バランスと飽きの両面で問題が出やすいため、主食と汁物だけは家で用意する、サラダを1品足す、といった補い方をしている世帯が多い。

また、惣菜は「その日に決められる」柔軟性が最大の利点だが、裏返せば毎回の判断が残るということでもある。判断の負担を減らしたいのであれば、ミールキットや作り置きのように事前に決まっている方式と組み合わせるのが現実的だ。

外食・デリバリー:使う位置づけを決めておく

外食・デリバリーは1人あたり1,000〜2,000円程度と、他の3方式より明確に高い。特にデリバリーは商品代に加えて配送料とサービス料が乗るため、店舗で同じものを食べるより2〜3割高くなることが一般的だ。

ただし、外食を「無駄」と切り捨てるのは実態に合わない。共働きの生活では、繁忙期や体調不良のときに調理を外注できることが、生活を破綻させないための安全弁として機能する。問題は金額そのものより、使う回数が管理されていないことにある。

週の外食・デリバリー回数月あたりの回数2人分の月額目安
週1回約4回約8,000〜16,000円
週2回約9回約18,000〜36,000円
週3回約13回約26,000〜52,000円
週4回約17回約34,000〜68,000円

※1人あたり1,000〜2,000円で2人分を計算した概算。実際の単価は店舗・配送料・注文内容により変動する。

この表が示すのは、外食が週1回から週3回に増えるだけで、月の支出が2万円前後変わるということだ。共働き世帯の食費が想定を超えるとき、原因はたいてい食材費ではなくこの部分にある。

対策としては、金額で制限するより回数で決める方が続きやすい。「週2回まで」と決めておけば、その2回は罪悪感なく使えるし、3回目が必要になったときには理由がはっきりする。ここでも、毎回の判断を減らす発想が有効に働く。

週単位で組み合わせる:4方式の設計例

ここまでの数字を踏まえると、現実的な解は「どれか1つを選ぶ」ではなく「週の枠に割り当てる」形になる。以下は生活パターン別の組み合わせ例だ。

パターンA:帰宅が遅い(19時以降)/時間優先

2人分の週14食(夕食のみ)で計算すると、月額はおおむね5万円台後半〜7万円台。時間面では平日の調理負担が1回20〜30分に収まり、買い物は週末1回にまとまる。

パターンB:どちらかが早く帰れる/費用優先

費用は最も抑えられるが、担当側に週4回・各60〜90分の負担が集中する。ここを「得意な方がやればいい」で処理すると不満が蓄積しやすいため、別の家事で相殺する、あるいは月に何度かは交代する、といった調整を明示的に決めておきたい。

パターンC:繁忙期がある/変動対応型

あらかじめ「繁忙期はこうする」と決めておくと、忙しいときに方式を考え直す必要がなくなる。切り替えの基準(残業が週3日を超えたら等)まで決めておくと、判断がさらに軽くなる。

いずれのパターンでも共通するのは、「その日に決めない」ことだ。方式を曜日に紐づけておけば、疲れている日に交渉する必要がなくなる。食事の分担が原因の摩擦は、料理の腕ではなく決定回数の多さから生まれていることが多い。

実際の共働き夫婦のケース

ケース1:成田さん夫婦(30代前半・IT/医療事務)

共働きで、夫の帰宅は20時前後、妻は18時台。同棲を始めた当初は「できるだけ自炊しよう」と話していたが、実際には週の半分がデリバリーになり、初月の食費が想定より2万円ほど上回った。

そこで1か月、支出を方式別に分けて記録したところ、食材費よりデリバリー代の方が多いことが判明した。翌月から、平日3日をミールキット、2日を惣菜、週末に2人で作る形に切り替えた。食費は月あたり1万5,000円程度下がり、平日の調理時間も1回30分以内に収まるようになったという。

「節約しようという話ではなくて、毎日どうするか考えるのをやめたかったんです。曜日で決めたら、そもそも揉めなくなりました」と話す。数字を取ったこと自体が、話し合いの土台になったケースだ。

ケース2:館山さん夫婦(20代後半・営業/保育士)

結婚1年目。妻が料理を担当することが自然に定着していたが、繁忙期に負担が偏り、たびたび言い合いになっていた。金額の話ではなく時間の話であることに気づいたのは、家事にかかる時間を1週間書き出してからだった。

調理そのものより、献立を考えることと買い物の負担が大きいと分かったため、買い物担当を夫に固定し、献立は週末に2人で決めてリスト化する方式に変更した。調理担当は変わっていないが、「一人で全部背負っている感じがなくなった」という。

費用面ではほぼ変化がなかったが、月に2〜3回あった衝突がほとんどなくなった。食事の分担は費用より時間で可視化した方が話し合いやすい、という一例と言える。分担のすり合わせをどう始めるかについては金銭感覚のすり合わせチェックも参考になる。

※上記はいずれも一般的に見られる事例をもとに再構成したもので、特定の個人の記録ではない。金額・時間は世帯の状況により異なる。

結婚前・同棲中に決めておくと後が楽になること

食事の方式は、いったん定着すると変えるのに労力がかかる。だからこそ、同棲期間や結婚直後の早い段階で、次の3点だけでも共有しておく価値がある。

1. 食費の上限ではなく、外食の回数:金額の上限は守れているかどうかが月末まで分からないが、回数は当日に判断できる。回数で決めた方が運用しやすい。

2. 誰が作るかではなく、どの工程を誰が持つか:調理・買い物・献立決め・片づけは別の作業だ。「作る人」だけを決めると、見えない工程が片方に寄る。

3. 忙しいときの逃げ道:繁忙期・体調不良時にどうするかを先に決めておくと、その場で消耗しない。ミールキットの常備でも、外食の許容でも構わない。

これらは食事だけの話に見えて、実際には生活費全体の分担と価値観の問題に直結している。同棲を始める段階での取り決めについては同棲の始め方で、より広い範囲を扱っている。今はまだ結婚を具体的に考えていない段階でも、二人で暮らす前提が生まれた時点で、この3点は必ず論点として浮上する。

よくある質問(FAQ)

Q1. 共働き夫婦の食費は月いくらが目安?

総務省「家計調査」の二人以上の世帯における食料支出は、外食・中食を含めて月7万円台〜9万円前後で推移しており、二人暮らしの共働き世帯ではおおむね月5万〜8万円のレンジに収まるケースが多いとされます(総務省統計局「家計調査」の公表値をもとにした概算)。ただし外食比率によって月2万円以上の差が出るため、まずは1か月、外食・デリバリーの回数だけを記録してみることをおすすめします。

Q2. ミールキットは本当に節約になる?

金額だけで見れば、スーパーで食材を買う自炊より1食あたり200〜400円ほど高くなるのが一般的です(各社公式サイトの公開価格帯より)。節約になるのは「外食・デリバリーの置き換え」として使った場合で、1食1,200〜2,000円のデリバリーを700〜900円のキットに置き換えれば差額が出ます。自炊の置き換えとして使うと支出は増えるため、何を減らすために導入するのかを先に決めるのが要点です。

Q3. 自炊の所要時間はどのくらい見ておけばいい?

献立を決めて買い物し、調理して片づけるまでを通しで数えると、2人分の夕食1回あたり60〜90分程度が現実的な目安です(一般的な家庭料理の工程から編集部が試算)。このうち調理そのものは30〜40分で、残りは買い物・献立決め・洗い物が占めます。時間を減らしたい場合は、調理より先に買い物と献立決めをまとめる方が効果が出やすい傾向があります。

Q4. 夫婦のどちらが作るかで揉めないためには?

「作る人」を固定するより、曜日と方式をセットで決める方法が機能しやすいとされます。たとえば平日3日はミールキット、2日は惣菜または外食、週末のどちらかで2人で作る、といった形で先に枠を決めると、当日の「今日どうする?」という交渉が減ります。負担の偏りは金額ではなく時間で可視化すると話し合いやすくなります。

Q5. 結婚前の同棲中から食事のやり方を決めておくべき?

同棲期間は、食費の水準と家事の分担を実データで確かめられる貴重な期間です。1〜2か月分の食費と、どちらが何回作ったかを記録しておくと、結婚後の生活費の話し合いが具体的になります。金銭感覚のすり合わせは後回しにするほど難しくなるため、早い段階で数字を共有しておくことに意味があります。

まとめ

共働き夫婦の食事を1食あたりの費用と所要時間で並べると、自炊は約250〜450円で60〜90分、ミールキットは約600〜900円で25〜40分、惣菜は約500〜800円で20〜35分、外食・デリバリーは約1,000〜2,000円で調理と片づけがゼロ、という構造になる。安さと時間の順序は一致しないため、単一の正解は存在しない。

実務的に効くのは、方式を選ぶことではなく、週の枠に割り当てて「その日に決めない」状態を作ることだ。外食は金額ではなく回数で管理し、ミールキットは自炊ではなく外食の置き換えとして使う。この2点を押さえるだけで、費用と時間の両方が安定しやすくなる。

そして、食事の分担で摩擦が起きるとき、原因は料理そのものより「見えない工程が片側に寄っていること」にあることが多い。献立決め・買い物・調理・片づけを別々の作業として扱い、時間で可視化する。この整理は、結婚後の生活費や家事分担の話し合い全体にそのまま応用できる考え方でもある。

著者・監修について

Noe編集部 婚活・結婚準備にまつわる各種サービスの料金体系や制度を、公式情報・公開データをもとに中立的な立場で整理し、情報を提供しています。

※本記事の費用・所要時間は2026年7月現在の公開情報および一般的な工程をもとにした目安であり、実際の金額・時間は地域・店舗・世帯の状況により異なります。