同じ「上限5万円」でも、対象になる費用が正反対の区があります。12区は「保険診療と併用した先進医療」だけを対象にしていますが、品川区は逆に「保険適用の自己負担分のみ」が対象で、先進医療と自由診療は対象外と明記しています。金額を横に並べただけでは、この違いは見えません。このツールは順位をつけず、区ごとの対象範囲と原文を並べます。2026年8月27日に23区すべての公式ページを確認しました。
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上限額ではなく「対象になる費用」で分かれる
実施している17区を、対象にしている費用の範囲でまとめました。分類はこちらで付けたラベルなので、判断の根拠になる原文も併記しています。
先進医療のみ(12区)
| 区 | 区の上限額 | 対象になる費用(原文) |
|---|---|---|
| 千代田区 | 50,000円 | 保険適用された体外受精・顕微授精と併用して自費で実施される「先進医療」の自己負担分(東京都の助成額を控除した額) |
| 台東区 | 50,000円 | 1回の特定不妊治療(保険診療)と併せて実施した先進医療。告示済みの11種(SEET法、タイムラプス、子宮内膜スクラッチ、PICSI、ERA/ERPeak、子宮内細菌叢検査EMMA/ALICE、IMSI、二段階胚移植法、子宮内フローラ検査、マイクロ流体技術を用いた精子選別、着床前胚異数性検査PGT-A) |
| 江東区 | 50,000円 | 特定不妊治療(保険診療)と併せて実施した先進医療のみ。治療に要した費用から東京都の助成額を差し引いた額が区の助成対象(助成対象費用が5万円を下回る場合はその額が上限) |
| 目黒区 | 50,000円 | 保険適用された特定不妊治療と併用して自費で実施した「先進医療」に係る費用(文書料・出産費用は含まない)。令和5年1月4日以降に決定された東京都助成が対象 |
| 大田区 | 50,000円 | 保険適用された特定不妊治療(体外受精及び顕微授精)と併用して自費で実施される「先進医療」に係る費用。令和4年4月1日以降に開始した治療分 |
| 中野区 | 50,000円 | 保険診療の特定不妊治療と併せて実施された先進医療に係る医療費(都の助成額を差し引いた額) |
| 杉並区 | 50,000円 | 保険適用された特定不妊治療と併用して自費で実施した先進医療に係る医療費の自己負担額から、東京都の助成額を差し引いた額 |
| 北区 | 50,000円 | 保険適用された特定不妊治療とともに自費で実施した先進医療に係る医療費(文書料・出産費用は含まない)。先進医療費から都の助成額を除いた額と区の上限5万円を比較し、いずれか低い額を助成 |
| 荒川区 | 50,000円 | 体外受精および顕微授精を行う際に、保険適用された治療と併用して自費で実施された先進医療に係る費用(東京都の承認決定額を差し引いた自己負担額が対象) |
| 練馬区 | 50,000円 | 1回の特定不妊治療(保険診療)と併せて実施した先進医療の費用。単独で実施した先進医療は対象外。登録医療機関で実施した先進医療のみ対象 |
| 足立区 | 50,000円 | 体外受精および顕微授精を行う際に、保険適用と併せて自費で実施された先進医療にかかる費用 |
| 葛飾区 | 50,000円 | 保険適用された特定不妊治療(体外受精及び顕微授精)とともに自費で実施した先進医療。医療費から東京都の助成額を差し引いた額が区の助成対象(対象費用が5万円を下回る場合はその額が上限) |
保険診療の自己負担分+先進医療(2区)
| 区 | 区の上限額 | 対象になる費用(原文) |
|---|---|---|
| 中央区 | 100,000円 | 令和8年4月1日以降の治療は、保険診療の体外受精・顕微授精および併用して実施した先進医療に係る費用。令和8年3月31日までの治療は、保険適用された特定不妊治療(体外受精・顕微授精)と併せて行った先進医療費 |
| 渋谷区 | 100,000円 | 令和4年4月1日以降に行った体外受精・顕微授精、それらと併用の先進医療、保険診療での男性不妊手術。保険診療の自己負担分+先進医療費をあわせて助成 |
先進医療+自由診療(2区)
| 区 | 区の上限額 | 対象になる費用(原文) |
|---|---|---|
| 港区 | 300,000円 | 保険診療の体外受精・顕微授精に併用した「先進医療として告示された治療及び技術」および「先進医療会議で審議中の治療等」、ならびに自由診療分。先進医療で東京都助成の対象となる場合は都の助成額を控除 |
| 文京区 | 100,000円 | (1)保険適用となる特定不妊治療と併せて行われる先進医療(1回上限5万円。東京都の助成を受けた場合は自己負担額から都助成額を控除した額を助成)/(2)特定不妊治療と併せて先進医療と同等の技術または先進医療会議で審議中の技術を実施し、保険適用外で費用全額が自己負担となる治療=自由診療(1回上限10万円) |
保険診療の自己負担分のみ(先進医療・自由診療は対象外)(1区)
| 区 | 区の上限額 | 対象になる費用(原文) |
|---|---|---|
| 品川区 | 50,000円 | 保険適用の自己負担分のみ。先進医療および自由診療にかかる検査・治療等の医療費は助成対象外 |
東京23区の一覧
| 区 | 実施 | 区の上限額 | 対象になる費用 |
|---|---|---|---|
| 千代田区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 中央区 | 実施 | 100,000円 | 保険診療の自己負担分+先進医療 |
| 港区 | 実施 | 300,000円 | 先進医療+自由診療 |
| 新宿区 | 実施なし | ― | ― |
| 文京区 | 実施 | 100,000円 | 先進医療+自由診療 |
| 台東区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 墨田区 | 実施なし | ― | ― |
| 江東区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 品川区 | 実施 | 50,000円 | 保険診療の自己負担分のみ(先進医療・自由診療は対象外) |
| 目黒区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 大田区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 世田谷区 | 実施なし | ― | ― |
| 渋谷区 | 実施 | 100,000円 | 保険診療の自己負担分+先進医療 |
| 中野区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 杉並区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 豊島区 | 実施なし | ― | ― |
| 北区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 荒川区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 板橋区 | 実施なし | ― | ― |
| 練馬区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 足立区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 葛飾区 | 実施 | 50,000円 | 先進医療のみ |
| 江戸川区 | 実施なし | ― | ― |
調べるときに間違えやすいところ
区の助成は「東京都の助成を受けたあと」の上乗せ
多くの区が、東京都の助成額を差し引いた残りを助成対象としています。練馬区は「東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業の承認決定を受けた方」を対象と明記しており、都に申請していないと区の助成にたどり着けません。順番は都が先、区が後です。
区が実施していなくても都の助成はある
6区は区独自の上乗せを行っていませんが、東京都の助成そのものは都内在住であれば対象です。「区にないから何もない」ではありません。
申請期限が区によってまったく違う
「治療終了年度の末日まで」とする区と、「東京都の承認決定日から1年以内」とする区があります。起算点が違うので、他の区の情報をそのまま当てはめると期限を逃します。各区の記載を必ず確認してください。
令和8年度は制度が動いている
中央区は令和8年4月1日以降の治療から対象範囲を変えており、練馬区は令和8年4月1日以降に開始した治療について「東京都の助成が拡充されるため検討中」と明記しています(2026年8月27日時点)。治療の開始日がいつかで扱いが変わるため、開始前に区に確認するのが安全です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 不妊治療の助成が受けられない区はありますか?
区独自の上乗せ助成を実施していないのは6区(新宿区・墨田区・世田谷区・豊島区・板橋区・江戸川区)です。ただし東京都の助成そのものは都内在住であれば対象なので、「区にないから何もない」ということではありません。2026年8月27日現在の各区公式ページの記載にもとづきます。
Q2. 上限額がいちばん大きい区はどこですか?
港区の300,000円です。ただし港区は自由診療まで対象に含めているため上限が大きく、先進医療だけを対象にしている12区の5万円とは対象範囲が違います。金額だけを並べて比べることはできません。
Q3. 同じ5万円なら、どの区でも同じですか?
違います。12区の5万円は「保険診療と併用した先進医療」が対象ですが、品川区は「保険適用の自己負担分のみ」が対象で、先進医療および自由診療は対象外と明記しています。同じ金額でも対象になる費用が正反対です。
Q4. 上限額はそのままもらえますか?
もらえません。計算式は区ごとに違い、多くの区が東京都の助成額を差し引いた残りを対象にしています。練馬区は「先進医療に係る費用の7割から都の助成上限額15万円を差し引いた額」と「区の上限5万円」の低いほうを助成する方式で、区の掲載例では自己負担28万円で助成4万6千円、自己負担20万円だと都の上限に届かないため区の助成は対象外になります。本ツールは金額を計算していません。
Q5. 東京都と区、どちらに先に申請しますか?
都が先です。多くの区が「東京都特定不妊治療費(先進医療)助成事業の承認決定を受けた方」を対象としており、都の承認決定日を起点に区の申請期限を定めている区もあります。都に申請していないと区の助成にたどり着けません。
Q6. 申請の期限はいつまでですか?
区によって起算点が違います。「治療終了年度の末日まで(1〜3月終了分は6月30日まで)」とする区と、「東京都の承認決定日から1年以内」とする区があります。他の区の情報をそのまま当てはめると期限を逃すため、必ずお住まいの区の記載をご確認ください。
Q7. この情報はいつのものですか?
2026年8月27日に23区すべての公式ページを確認した内容です。令和8年度は制度が動いており、中央区は令和8年4月1日以降の治療から対象範囲を変更、練馬区は同日以降に開始した治療について「東京都の助成が拡充されるため検討中」と明記しています。申請前に必ず公式ページをご確認ください。
出典
すべて各区の公式ページで確認しました。確認日は2026年8月27日です。制度は年度で変わるため、申請前に必ず公式ページをご確認ください。
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