産後ケアの宿泊型はいくら?|金額より「数え方」で差がつく

公開 2026-08-27/出典は公的統計。2026年8月27日に各原典で確認

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産後ケアの宿泊型は、金額そのものより「数え方」で差がつきます。「1泊2日」を2日ぶんと数える自治体と、1回と数える自治体が隣接して存在します。さらに自治体としての単価を持たず、施設が決めた額から自治体の負担額を引いた残りが自己負担になる方式もあり、43自治体のうち13自治体がこの型でした。単価表を横に並べただけの比較は、実際の支払額と一致しません。

数え方は3通りある

1日あたり型

1日いくらと決まっていて、1泊2日なら2日ぶんが課金されます。名古屋市がこの型で、市の資料でも1泊2日を2日として計算しています。

1泊2日+以降1日ごと型

最初の1泊2日でいくら、そこから1日増えるごとにいくら、という積み方です。この型では単純に泊数で割ると1泊あたりの金額を誤って高く見積もることになります。

差額型(自治体としての単価がない)

施設が決めた額から自治体の負担額を差し引いた残りが自己負担になります。千代田区・中央区・港区・新宿区・文京区・台東区 がこの型で、同じ自治体の中でも施設によって自己負担が数倍変わります。

さらに、使う日数で単価が変わる自治体もあります。相模原市は宿泊の6日目から単価が倍になり、新潟市は各類型の1回目が無料です。単価に泊数を掛けるだけでは実際の負担額になりません。

43自治体の宿泊型 料金と上限

金額は減免前(課税世帯)の額です。「数え方」列は、その自治体が単価をどう定義しているかを示します。

自治体宿泊型の負担額(公表文のまま)数え方上限
千代田区3,520〜8,000円/日(施設・部屋タイプにより異なる。区の定めは「実施施設が定める費用の2割」)自治体としての単価なし7日間(6泊7日)まで(分割利用可・合計7日間まで)
中央区7,500〜8,500円/泊(令和8年度・一般世帯。施設により異なる)自治体としての単価なし1泊2日から最長5泊6日まで(分割利用可・合計6日間まで)
港区1泊2日1,000〜10,000円(課税世帯。施設により異なる。契約9施設中7施設は7,400〜10,000円)自治体としての単価なし1泊2日〜6泊7日まで(分割利用可・泊数ではなく日数で計7日間)
新宿区1泊2日8,000円〜(施設により8,000〜14,000円/以降1日ごとに4,000〜7,000円加算)自治体としての単価なし1泊2日〜6泊7日(2泊3日+3泊4日等、分割利用可。1日単位の利用は不可)
文京区1泊2日3,520円〜(施設・部屋タイプにより3,520〜7,200円/以降1泊ごとに3,210〜4,290円加算)自治体としての単価なし1泊2日〜6泊7日(通算7日以内であれば分割利用可。例:3泊4日+2泊3日=5泊7日は可、3泊4日+3泊4日=6泊8日は不可)
台東区1日3,000〜11,000円(施設の設定金額−区負担額27,000円/日。課税世帯・減免適用前。最多価格帯は8,000円/日)自治体としての単価なし宿泊型・日帰り型を合わせて1回の出産につき合計7日(例:3泊4日+2泊3日で合計7日に到達)
墨田区1泊2日あたり9,000円〜(区の補助後・施設により異なる)自治体としての単価なし6泊7日(分割利用可・8日目以降は自己負担)
江東区1泊2日9,800円(2泊3日14,700円/3泊4日19,600円/4泊5日24,500円/5泊6日29,400円)※令和8年4月1日改定1泊あたり(泊数で単価が変わる)5泊6日まで(日数を分割して利用可・最小単位は1泊2日)
品川区1泊2日3,700円〜7,400円(施設により異なる/6泊7日は17,550円〜25,900円)自治体としての単価なし最大7日(6泊7日・分割利用可)
目黒区1泊2日3,500〜7,500円(施設により異なる・2,500円/泊の減免適用後)。以降1泊ごとに+500〜2,500円(5泊目まで)。6泊目は減免適用外自治体としての単価なし最長7日(6泊7日)
大田区1日2,500円(1泊2日5,000円/2泊3日7,500円/3泊4日10,000円/4泊5日12,500円/5泊6日15,000円)。愛育産後ケア子育てステーションのみ1日7,500円(1泊2日15,000円〜5泊6日45,000円)1日あたり最大5泊6日(計6日)
世田谷区1泊2日9,000円、以降1日ごとに4,500円(多胎児2人目以降は1日500円加算)1泊あたり(泊数で単価が変わる)最大7日間(6泊7日)
渋谷区個室1日3,500円(多床室は1日2,000円)/1泊2日で7,000円・以降1日増につき3,500円加算1日あたり最大5日間(宿泊を伴う場合に限る。1泊2日と2泊3日に分けての利用も可)
中野区1回3,000円(1日の利用を1回と数える。1泊2日は2回=6,000円)1日あたり7回まで(1日の利用を1回とし、1泊2日は2回の利用となる)
杉並区1泊2日7,000円(その後1日ごとに3,500円)※住民税課税世帯1泊あたり(泊数で単価が変わる)宿泊型は最大5回(4泊5日)まで。分割利用可(双胎児は最大10回=9泊10日)。3種類合わせて10回の内数
豊島区母子1組1日につき2,500円(1泊2日なら5,000円)1日あたり6泊7日(通算7日まで・分割利用可/令和8年4月1日に3泊4日から拡大)
北区1日あたり3,300円1日あたり3泊4日まで(1泊2日の2回利用、2泊3日の1回利用も可)
荒川区1日あたり2,300〜5,300円(施設ごとに異なる。実施施設基本額34,000〜37,000円 − 区負担額31,700円)自治体としての単価なし3泊4日まで((1)1泊2日を2回、(2)2泊3日を1回、(3)3泊4日を1回 のいずれか1パターン。宿泊日数は1泊2日=2日と数える)
板橋区1泊2日8,000円(1日追加4,000円)1泊あたり(泊数で単価が変わる)6泊7日まで(計7日まで・分割利用可、最小単位は1泊2日)
練馬区母子ショートステイ 1泊2日7,000円(その後1日ごとに3,500円)1泊あたり(泊数で単価が変わる)7日まで
足立区1日あたり2,500円(1泊2日から利用可能/多胎児は2人目以降1人1日1,000円加算)1日あたり宿泊型・日帰り型(産後4か月未満)および訪問型(産後1年未満)をあわせて7日(回)
葛飾区基本利用料 無料(オプション・差額ベッド代は別途。差額ベッド代は1日あたり10,000円を区が補助)1日あたり7日(分割利用可・6泊7日まで)
江戸川区1泊2日 7,000円(1日増えるごとに+3,500円)/多胎児分は無料1泊あたり(泊数で単価が変わる)1回の出産につき5日まで(分割利用可)
札幌市1泊 7,500円(1泊2日の利用で7,500円。1泊増えるごとに+7,500円)1泊あたり宿泊・日帰り合わせて7日以内(1泊2日=2日、2泊3日=3日とカウント)
仙台市1日当たり5,500円(利用時間は1泊2日から。1泊2日=2日分で11,000円)1日あたり最大7日(多胎児は最大10日)
さいたま市通常時1日6,800円(1泊2日=13,600円、2泊3日=20,400円)。クーポン券利用時は1日4,300円(1泊2日=8,600円、2泊3日=12,900円)1日あたり通算7回(日)の合算枠内。宿泊型1泊2日は2回(日)分としてカウント
千葉市課税世帯は利用料の10%(自己負担額の上限2,800円/日)。1泊2日は「2日」と数えるため上限5,600円、2泊3日は上限8,400円自治体としての単価なし単胎7日/多胎10日(1泊2日は「2日」と数える。2泊3日と3泊4日のように分割利用も可)
横浜市1日あたり3,000円(1泊2日の場合は6,000円)1日あたり母子ショートステイ 単胎7日間/多胎14日間
川崎市宿泊型 1泊2日15,000円(延泊ごとに7,500円追加)。一般世帯は5回(日)目まで1日2,500円の減免があり、減免後は1泊2日10,000円(=5,000円/日)1日あたり(日数で単価が変わる)1泊2日から最大6泊7日まで(ただし下記の合算枠7回(日)に含まれる)
相模原市初日から5日目は1日2,500円(1泊2日5,000円)/6日目から7日目(多胎産婦は上限14日まで)は1日5,000円(1泊2日10,000円)1日あたり(日数で単価が変わる)1泊2日から6泊7日以内(下記の3類型通算枠の中で消化)
新潟市2,500円/日(1泊2日の場合5,000円)。ただし各ケアの1日(回)目は無料チケットにより無料1日あたり(日数で単価が変わる)7日(1泊2日を『2日』とカウントするため、最大6泊7日まで)
静岡市1日6,300円(1泊2日12,600円)。生活保護世帯・市町村民税非課税世帯は1日3,300円(1泊2日6,600円)1日あたり1回の出産につき7日まで
浜松市市としての利用者負担単価は存在しない。市が定めるのは施設に支払う「公費負担額」=宿泊型20,000円(市民税課税者)で、利用者は実施施設が定める利用料からこの額を差し引いた残額を負担する。市公式ページに「※宿泊型、デイ(1日)型:利用料は実施施設により異なる」と明記。残額の実額(レンジ)は市公式ドメイン上に一覧が無く未取得。公費負担加算あり:きょうだい児4,000円、生後4か月以降の児3,000円、多胎加算(上限)9,100円自治体としての単価なし記載なし
名古屋市1日3,520円(市民税課税世帯)。2泊3日=3日分で3,520円×3日=10,560円1日あたり記載なし
京都市産後ショートステイ 1回当たり4,900円(A・B階層=市民税課税世帯の減免前)。減免後はA階層3,600円/B階層2,400円。C1(市民税非課税)・C2(生活保護)は490円→減免後0円。※減免は最大5回までが上限のため、6回目・7回目は減免前の4,900円。※1回=利用開始時刻から24時間以内。7回=7泊8日に相当し、1泊2日は1回としてカウント(名古屋市の「1泊2日=2日分」とは数え方が異なる)1泊あたり7回(7泊8日)
大阪市1日あたり2,125円(1泊2日=2,125円×2日=4,250円)1日あたり通算7日まで(6泊7日)。1泊2日=2日分、2泊3日=3日分としてカウント
堺市1泊2日(3食付)5,200円/泊。以後1泊増えるごとに5,200円1泊あたり1回の出産につき7泊まで
神戸市1日あたり3,000円(1泊2日は3,000円×2日=6,000円)1日あたり7日間(入所日・退所日をそれぞれ1日とカウント。例:4月2日〜4日利用で3日)
岡山市0〜36,800円/1泊2日(課税世帯)。市に単価は無く、施設の利用料金(1泊2日、実測レンジ25,000〜61,800円)から市の負担額25,000円(1泊当たり)を差し引いた残りが自己負担。非課税・生活保護世帯は市負担29,000円のため0〜32,800円。市の負担額が利用料金を上回る場合の差額支払いはなし自治体としての単価なし宿泊・日帰りあわせて7日以内(多胎児10日以内)。宿泊は1泊2日=2日、2泊3日=3日と数える(泊数ではない)
広島市1泊2日 11,136円(1泊延長ごとに5,568円追加)1泊あたり(泊数で単価が変わる)単胎児7日まで/多胎児14日まで(1泊2日は2日と計算)
北九州市1泊2日につき3,000円1泊あたり(泊数で単価が変わる)宿泊型・通所型・通所型(短時間)・居宅訪問型を通算して最大7日まで(宿泊型単独の上限は設定なし)
福岡市1日 3,000円(1泊2日で6,000円)1日あたり記載なし
熊本市1泊2日 8,000円(一般世帯)。1泊2日が最小単位で入所時間は24時間目安(例:午前10時入所→翌午前10時退所)1泊あたり(泊数で単価が変わる)記載なし

宿泊型で見落としやすいところ

対象期間が宿泊型だけ短いことがある

母子保健法は産後1年以内を想定していますが、宿泊型だけ「産後4か月未満」「産後5か月未満」と短く設定している自治体が複数あります。訪問型のみ産後1年未満という組み合わせもよく見られます。里帰り出産を予定している場合は、対象期間と住民票の要件を先に確認してください。

上限が他の類型と合算されることがある

宿泊型だけの枠を持つ自治体と、日帰り型・訪問型と合算して数える自治体があります。合算枠の自治体では、宿泊型を使い切ると他の類型が使えません。

無料でも実費がかかる

基本利用料が0円でも、食事代・差額ベッド代・オプションのケア代が別にかかることがあります。自治体が補助しているのは基本の利用料までという設計が多いためです。

自分の使い方で自己負担を計算する

産後ケアの料金を自治体別に調べるツールで、泊数と回数を入れると自己負担の合計が出ます。上の3通りの数え方は自治体ごとに持たせて計算しているので、単価を掛け算するより正確です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 産後ケアの宿泊型はいくらかかりますか?

自治体で大きく違います。43自治体を確認したところ、1泊(1泊2日)を使ったときの自己負担は、自治体として単価を公表しているところで0円から1万円を超えるところまで開いていました。さらに自治体としての単価を持たず、施設が決めた額から自治体の負担額を引いた残りが自己負担になる方式のところもあります。この場合は同じ自治体の中でも施設によって自己負担が数倍変わります。

Q2. 「1泊2日」の料金の数え方は自治体で同じですか?

違います。3通りあります。ひとつ目は「1日あたりいくら」という単価型で、1泊2日なら2日ぶんが課金されます。ふたつ目は「1泊2日でいくら、以降1日増えるごとにいくら」という区分型です。みっつ目は自治体としての単価を持たない差額型です。名古屋市は1泊2日を2日ぶんと数え、京都市は1回を24時間とするため1泊2日で1回です。数え方を確かめずに金額だけを並べると比較を誤ります。

Q3. 宿泊型は産後いつまで使えますか?

母子保健法は産後1年以内を想定していますが、宿泊型だけ期間を短く設定している自治体が複数あります。「産後4か月未満」「産後5か月未満」としている自治体があり、訪問型のみ産後1年未満という組み合わせもよく見られます。さらに施設ごとに受入可能な月齢が決まっているため、回数の上限より先に期間で使えなくなることがあります。

Q4. 宿泊型は何泊まで使えますか?

1回の出産あたりで上限が決まっているのが基本で、6泊7日・5泊6日・3泊4日などに分かれます。注意したいのは、宿泊型だけの枠を持つ自治体と、日帰り型や訪問型と合算して数える自治体があることです。合算枠の自治体では、宿泊型を使い切ると他の類型が使えなくなります。

Q5. 宿泊型が無料の自治体はありますか?

あります。葛飾区は宿泊型を含む3類型とも基本利用料が0円で、宿泊型については差額ベッド代も1日10,000円まで区が補助します。ただし無料とされていても、食事代やオプションのケア代が別にかかることがあります。自治体が補助しているのは基本の利用料までという設計が多いためです。

Q6. 宿泊型を使うのに何が必要ですか?

利用前の申請が必要な自治体が大半です。妊娠中から申し込める自治体が多く、妊娠8か月以降・妊娠28週以降・妊娠30週以降といった開始時期が設定されていたり、利用希望日の2週間前までという締切があったりします。産後に思い立ってから申請すると使いたい時期に間に合わないことがあります。

出典

本記事の数値はすべて次の公的統計の公表値です。統計ごとに調査の対象・周期・母集団が違うため、異なる統計の数値を掛け合わせないでください。

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産後ケアを使わない日の負担をどう下げるか

産後ケアの回数には上限があります。使える日は限られるので、それ以外の日をどう回すかが実際の問題になります。買い物と献立を考える時間を削るのはその一つです。

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