「保育園に入れなかった」だけでは、もう給付金の延長は通りません。2025年4月から、入所の申込みが「速やかな職場復帰のために行われたもの」とハローワークが認めることが要件に加わりました(雇用保険法施行規則第101条の25第1号)。市区町村への入所申込書の写し(全ページ)の提出も必須になっています。休業自体の延長(育児・介護休業法)はこの改正の対象外で、要件は変わっていません。
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法律上の基準日は「1歳の誕生日」ではなく「1歳に達する日=誕生日の前日」です。1日ずれると申込みの期限も通知書の日付要件もずれます。
使っている場合、給付金の延長判定の基準日が「育児休業の終了日(終了予定日が1歳2か月に達する日ならその日)」に読み替わります。
育児・介護休業法第5条第3項第1号(2歳延長は第4項第1号)の要件です。
1歳6か月までの延長も、2歳までの延長も、それぞれ1回限りです。
合理的な理由なく、自宅から片道30分以上かかる施設だけに申し込んでいると要件を満たしません。
発行日が基準日の翌日の2か月前(4月入所の申込みは3か月前)より前だと、原則として要件を満たしません。まだ手元にない場合は空欄でかまいません。
この子の場合の基準日
ハローワークに出す書類(給付金の延長)
この判定は2026年8月27日時点の法令と厚生労働省の公表資料にもとづく見込みです。給付金の延長を認めるかどうかは公共職業安定所(ハローワーク)長が判断します。休業そのものの延長は勤務先への申出です。最終的な可否は必ずハローワークと勤務先にご確認ください。
「休業の延長」と「給付金の延長」は別の判定
同じ「育休の延長」でも、根拠になる法律と申請先が違います。ここを分けずに調べると、必要な書類や期限を取り違えます。
| 休業そのものの延長 | 育児休業給付金の延長 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 育児・介護休業法 第5条第3項・第4項 | 雇用保険法 第61条の7/同法施行規則 第101条の25 |
| 申請先 | 勤務先(事業主) | ハローワーク(事業主を経由) |
| 様式 | 法定様式なし。会社所定の様式でよい | 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書(厚労省様式) |
| 2025年4月の厳格化 | 対象外。要件は変わっていない | 対象。職場復帰の意思の認定と、申込書の写しの提出が加わった |
| 期限 | 休業を始めたい日から逆算(2週間前/基準日前日/1か月前) | 支給単位期間の初日から4か月を経過する日の属する月の末日まで |
2025年4月に何が変わったか
変わったのは雇用保険法施行規則第101条の25第1号への括弧書きの追加です。「速やかな職場復帰を図るために保育所等における保育の利用を希望しているものであると公共職業安定所長が認める場合に限る」という一文が入りました。これによって次の3点が実務上の変更になります。
入所申込書の写し(全ページ)の提出が必須になった
これまでは入所保留通知書などで「入れなかったこと」を確認していましたが、申込みの中身そのものを見る運用に変わりました。電子申請の場合は申込内容を印刷したもので構いません。申込内容を途中で変更した場合は変更後の写しが必要です。
延長事由認定申告書の提出が必須になった
厚生労働省が様式を配布しています(入力用PDF・手書用PDF・Excel版)。例外にあたる場合は理由欄に記載します。
通知書の発行日に要件がついた
市区町村が発行する「利用できない旨の通知」は、発行年月日が基準日の翌日の2か月前(4月入所の申込みは3か月前)以後である必要があります。それより前の日付の通知しかなく、保留中に新しい通知が出ない場合は、申告書の理由欄にその旨を書いたうえで、保留の有効期限内に基準日の翌日が含まれる直近の通知書を出します。
片道30分以上の施設だけに申し込んでいてもよい場合
次のいずれかにあたる場合は、合理的な理由があるものとして扱われます。
- 申し込んだ保育所等が、本人または配偶者の通勤経路の途中にある場合(勤務先からの片道の通所時間が30分未満の場合を含む)
- 自宅から30分未満で通える保育所等がない場合
- 30分未満で通える保育所等の開所時間や開所日が、職場復帰後の勤務時間や勤務日に対応できない場合
- 子が疾病や障害により特別な配慮が必要で、30分未満で通える施設がすべて申込み不可となっている場合(医師の診断書、障害者手帳の写し等が必要)
- きょうだいが在籍している保育所等と同じ施設を希望する場合、または30分未満で通える施設がいずれも過去3年以内に児童への虐待等で行政指導等を受けていた場合
なお「片道30分」の測り方(徒歩か公共交通機関か等)は、厚生労働省のリーフレットに定義がありません。ハローワークの運用によるため、迷う場合は事前に確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 育休はいつまで延長できますか?
原則は子が1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までですが、保育所等に申し込んだのに入れないなどの事情があれば1歳6か月に達する日まで、さらにその時点でも入れなければ2歳に達する日まで延長できます(育児・介護休業法第5条第3項・第4項)。延長はそれぞれ1回限りです。1歳の時点で申し出られるのは1歳6か月までで、いきなり2歳までを申し出ることはできません。
Q2. 2025年4月から育休の延長は何が変わりましたか?
変わったのは育児休業給付金(雇用保険)の延長手続きだけで、休業そのものを延ばす要件(育児・介護休業法)は変わっていません。給付金側は、雇用保険法施行規則第101条の25第1号に「速やかな職場復帰を図るために保育所等における保育の利用を希望しているものであると公共職業安定所長が認める場合に限る」という括弧書きが加わりました。これにより、市区町村への入所申込書の写し(全ページ)と、延長事由認定申告書の提出が必須になり、入所保留通知書の発行日にも要件がつきました。
Q3. 入所保留通知書があれば延長できますか?
通知書を持っているかどうかではなく、発行年月日が要件を満たすかで判断されます。基準日の翌日の2か月前(4月入所の申込みの場合は3か月前)以後の日付である必要があります。それより前の日付の通知しかなく、保留中に新しい通知が発行されない場合は、延長事由認定申告書の理由欄にその旨を書いたうえで、保留の有効期限内に基準日の翌日が含まれる直近の通知書を提出します。有効期限に含まれていない場合は要件を満たしません。
Q4. わざと入れない保育園に申し込んだ場合はどうなりますか?
延長は認められません。ハローワークは3つの要件で確認します。ひとつ目は基準日までに申込みをしていること。ふたつ目は速やかな職場復帰のための申込みと認められること(原則として基準日の翌日以前を入所希望日にしている、合理的な理由なく片道30分以上の施設だけに申し込んでいない、入所保留を希望する記載をしていない)。みっつ目は基準日の翌日時点で利用できる見込みがないこと(やむを得ない理由のない内定辞退がない)です。申込書の写しの内容が実際と違うと分かった場合は不正受給となり、返還を命じられることがあります。
Q5. 延長中の給付金はいくらですか?
育児休業給付金は休業開始から通算180日までが休業開始時賃金日額の67%で、それ以降は50%です(雇用保険法第61条の7第6項)。1歳以降の延長期間は通常すでに180日を超えているため50%になります。延長を理由に支給率が変わる規定はありません。令和8年8月1日以後の支給上限額は67%で332,454円、50%で248,100円、休業開始時賃金月額の上限は496,200円、下限は96,090円です。上限額は毎年8月1日に改定されます。
Q6. いつまでに勤務先へ申し出ればいいですか?
休業を始めたい日によって3通りに分かれます。1歳の誕生日から2週間の間に始めたい場合は2週間前まで、2週間後から1歳1か月に達する日までに始めたい場合は1歳の誕生日の前日まで、1歳1か月に達する日より後に始めたい場合は1か月前までです(育児・介護休業法第6条第3項)。2歳までの延長も同じ構造で、基準日を1歳6か月に達する日に読み替えます。
Q7. 有期雇用(契約社員・パート)でも延長できますか?
できます。ただし要件が1歳6か月への延長と2歳への延長で違います。1歳6か月への延長は、子が1歳に達する日に育児休業をしていて翌日から続けて延長する場合、契約に関する要件は問われません(第5条第3項ただし書)。一方2歳への延長では、子が2歳に達する日までに契約が満了して更新されないことが明らかでないことが必須で、1歳6か月時点で育休中でも免除されません。給付金側では、1歳6か月から2歳への延長の申請時に、休業終了後の雇用の継続が予定されていることを証明できる書類の添付を求められます。
Q8. パパ・ママ育休プラスを使っていると何が変わりますか?
給付金の延長判定の基準日が読み替わります。育児休業の終了予定日が子の1歳到達日より後になる場合、基準日は育児休業の終了日(終了予定日が1歳2か月に達する日ならその日)になります。この読み替えを踏まえないと、入所申込みの期限も通知書の発行日の要件もずれます。パパ・ママ育休プラス自体は、配偶者が子の1歳到達日以前に育休をしていることなど3つの要件を満たすと、子が1歳2か月に達する日まで休業できる仕組みです(本人が取得できる期間の上限は1年)。
出典
この判定と説明は、次の一次資料にもとづいています(2026年8月27日確認)。制度は改正されるため、利用前に最新の情報をご確認ください。
- e-Gov法令検索 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)
- e-Gov法令検索 同法施行規則(平成3年労働省令第25号)
- e-Gov法令検索 雇用保険法(昭和49年法律第116号)
- e-Gov法令検索 雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)
- 厚生労働省 育児休業給付金の支給対象期間延長手続き
- 厚生労働省リーフレット「2025年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります」
- 厚生労働省リーフレット「保育所等に入所できない場合の育児休業給付金の支給対象期間延長について」
- 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」育児休業制度
- 厚生労働省リーフレット「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります」
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